6 月振り返り | ゲームコミュニティサミット2013など

個人的な出来事やニュースなどのまとめ。

Haskell free-game

@fumieval さんが開発している free-game という Haskell のゲームライブラリを知りました。まさか Haskell のゲームライブラリを同年代の日本人が開発しているとは思わなかったので驚きでした。
以前から関数型言語の考え方やシステムは積極的に Siv3D やゲーム開発で活用していきたいと考えていたので、今後の発展を注視しています。

ゲームコミュニティサミット 2013

6/22 に「ゲームコミュニティサミット 2013」に行ってきました。"ゲーム業界のコミュニティが集う文化祭" のスローガン通り、全国各地から集まったコミュニティと来場者によるトークやディスカッションで大いに盛り上がっていました。

僕が参加したセッションのうちいくつかのメモと感想。

IGDA 日本「インディペンデントゲームはどこへ向かうのか 日本のインディとしてチャンスを探るためのヒント」

・インディ企業が強くなる時代だが、供給過剰で成功確率はますます低下
・日本には欧米のようなインディの流通市場が無い、コンテストで入賞しても商品化への道が無い
・ユーザーを巻き込むボトムアップ型の戦略が必要(例: MOD の自由利用、動画配信を認めた Minecraft)、日本における同様の成功例は「初音ミク」
・成功には運やタイミングといった要因が大きい。Angry Birds が今出たらヒットするかはわからない
・今後増えていくであろう国内の流通市場は初期参入を狙うべし

ゲームジャーナリスト新清士さんの講演。インディの厳しい現状が垣間見えました。Angry Birds や Minecraft に代表される海外のインディのレベルの高さは、日本のサッカー代表のレベルがたくさんの代表になれなかった選手によって支えられているのと同じ構図だという指摘が印象的でした。

インタラクティブミュージック (IM) 研究会「手軽に新しい体験を創りだす武器、インタラクティブミュージック」

・既存のゲームも音楽によって体験が変わる(例: 講演者の作品 音楽マインスイーパ)
・IM は必ずしもプレイヤーに気付いてらう必要はない、感情変化に音楽を合わせれば自然と楽しめる
・SOWN2010 の入賞作品は 9 作品中 4 作品が音楽を主軸としていた

ゲームと音楽を連動させる「インタラクティブミュージック」研究会、通称 IM 研の創設者 @geekdrums さんの講演。「音楽の変化は必ずしもユーザーに気付いてもらう必要はない」という切り口が新鮮でした。
geekdrums さんは以前から尊敬する学生ゲームクリエーター(今は社会人)だったのでお会いできてうれしかったです。今年は僕のサークルも IM に挑戦する予定なので、今度作品を紹介できたらいいなと思っています。

会場では、書籍『ゲームエンジン・アーキテクチャ』の販売が困っているという話がありました。というのも、原著者が第二版の執筆を計画しているけれど、国内では先日増刷した(してしまった)初版 750 冊がなかなか売れず、このままでは第二版の翻訳・出版ができないとか。ゲーム開発の教科書としては国内で並ぶものが無いほどの情報量で、内容は現在でも通用するものばかりです。僕からもお勧めします。

ゲームコミュニティサミットは、普段あまり知ることのないゲーム業界の最新情報や裏話、蓄積された知見、そこに関わる人たちの熱気を肌で感じられた刺激的な体験でした。来年の開催も楽しみです。

Togetter まとめ : http://togetter.com/li/522898
講演資料アーカイブ: https://sites.google.com/site/gamecs2013/home/archive

Visual Studio 2013 Preview と DirectX 11.2

Microsoft の Build カンファレンスで Visual Studio 2013 Preview と DirectX 11.2 が発表されました。
Visual Studio 2013 で追加される C++11 機能は Siv3D にとってもコード量の削減、コンパイル時間の短縮に寄与するので、正式なリリースが待ち遠しいです。
一部では開発中止の噂も流れていた DirectX のアップデート DirectX 11.2 も発表されました。グラフィックスの進化やパフォーマンスの安定化に大きく影響する技術が追加されています。いずれ Siv3D も対応していきたいです。

Build 2013 の C++ / DirectX 開発者向けのセッションまとめ : http://blogs.msdn.com/b/chuckw/archive/2013/06/28/build-2013-conference.aspx

IGDA スカラーシップ

IGDA が募集していた CEDEC スカラーシップ の奨学生に選ばれました。
国内最大のゲーム開発者向けカンファレンス CEDEC のレギュラーパスと、ゲームスタジオツアー、海外の奨学生との交流などの機会をいただくことになりました。
レポートを Twitter やブログでお伝えしていきたいと思います。お楽しみに。